
Mina Capillitas Andalgala catamarca Argentina
カピジータス鉱山から産出する菱マンガン鉱の鍾乳石です。2㎝ぐらいの小さな標本です。
研磨されている部分がドキッとするぐらい(笑)つるっつる☆このタイプの物は薔薇に見える事から「インカローズ」と呼ばれています。…確かに「菱」ではないよねぇ…
さてここで疑問。

側面はこんなガサガサ、ザラザラした面なのですが、「この皮(おい!)は何で出来てるんだ!?」と。
どっから見てもバームクーヘンの皮のようですが、一体…。
とりあえず調べてみました。(注意。以下、地学を齧りもしていない素人がネットで調べた事なので間違っている可能性があります。その際はコメントにてご連絡ください。)
まず「鍾乳石」とはどんな石なのでしょう?
よく、鍾乳洞で見かける上から垂れてるあれですね。上から垂れているのを鍾乳石、下から盛り上がっているのを石筍といいます。天井から炭酸カルシウムの飽和した雫が落ちるときに、方解石の成分が水滴の円周上に、リング状になって結晶します。後から垂れてくる雫が前のリングの先端に結晶します。こうしてつらら状に方解石が結晶していくのですが、何らかの原因で鍾乳管(導管、真ん中に空いてる管ですね)が潰れると外周上に沈殿をする、と。
ここまでで、鍾乳石については解りました。んが!問題はインカローズなんです。方解石の鍾乳石の事ではない!(???゚Д゚)ノノ
ここで、方解石と菱マンガン鉱の関係について整理します。化学式を比べてみます。
方解石→CaCo3
菱マンガン鉱→MnCo3
よく似ていますよねー。両方とも炭酸イオンを含んでいます。こういった鉱物を「類質同像」と呼びます。違う元素が全く同じような結合の仕方で結晶したもの、だそうです。良く似ている点があるんですね。(そういえば、結晶が似ています。犬牙状しかり、菱形しかり)
更に言えば、両者は原子配列が同じなので、固体同士が混ざり合いやすく、「固溶体」を形成する、と。
あぁぁ…。また未知の言葉が出てきたぞーーー…
「固溶体」2種類以上の原子やら分子が均一に混じりあったもので、高温下では無秩序に混じりますが、ある温度以下であれば均一に規則正しく並ぶもの…だそうで。
ってことは、方解石混じりの菱マンガン鉱だから鍾乳石になりえたって事ですかー?
中心部の赤い部分こそ菱マンガン鉱が多いけれど、皮は方解石(つまり石灰石か?)って事ですかー?
そういえば、どこかで「菱マンガン鉱はマグネシウムの替わりに不純物としてカルシウム等が紛れ込む場合、色がピンク~茶褐色に退色します」という記事を読みましたね。
なるほどー!v(・∀・*) 何となく理解できた気がする!!
言われてみれば断面画像に白い円周が見れます。ここで一旦成長が止まった→皮部分(カルシウム多)→何らかの原因で再び成長をはじめた(ピンク部分、マグネシウム多)→完全に成長終了(皮。)
たった、2㎝ぐらいの石ですが、どれだけ長い間成長し続けていたんでしょうね…(しみじみ)
スポンサーサイト